レベッカ・ホルン展

先日、東京都現代美術館へ「レベッカ・ホルン展」を見に行ってきました。
とにかく素晴らしかった!ペインティングと映像作品以外は全て機械によるギミックがあって、それはとても簡単で単純な動きなんですけど、動いていない時間も含めていろいろと想像してしまいます。ああ、動くということはそれだけで時間を表現するのだな、と。ふと時間軸(四次元)を連想。今回見た作品は本当に素晴らしいものばかりで、一つ一つこれはこうだった、これは・・・と書いていきたいくらいですがそういうわけにもいかなのでいくつか抜粋して・・・。
まず一番見たかった逆さづりのピアノ「アナーキーのためのコンサート」。本物のピアノが逆さで天井に吊り下げられていました。最初行った時はこの写真のように鍵盤がダラーんと出ている状態でした。他の作品を見ているとき、どこからかボロボロ・・・と少し不気味な音が鳴って、音の方向(逆さピアノ)を見ると、鍵盤が奥に引き込まれていくところでした。鍵盤が一斉に飲み込まれていく音はなんとも不気味で不安になる音で、でも決して不快ではなくちょっと気持ちよくもありました。これのためだけに行っても良いくらい。
「鯨の腑の光」と名づけられた音と映像のインスタレーションも素晴らしかった。
この映像の中の3:07秒からの作品がそうなんですが、音と光・・・とても居心地が良くて、実際はもっと暗いのですが 不思議な浮遊感があって、これが1/fの揺らぎか!とか思ったとか思わなかったとか。
「ペインティング・マシーン」と名づけられた作品は、機械が塗料を壁に撒き散らし、滴り落ちたラインが壁に広がるもので、規則性がありながらも不規則なパターンがとても綺麗でした。満天の星空や冬の枯れた木々を見上げたときに感じる美しさを連想。
他にも作品はいっぱいありましたが、どれもとても興味深く、時間があっという間に過ぎていきました。が、これらの作品はいわば第一部、まだ第二部映像作品のフロアが・・・。この映像作品、一度行っただけではまず全部見切れない量で、全部で8本あるのですが全部の上映時間を合計すると実に413分!8本を4つの部屋に分けで上映していて、もちろんそれぞれの部屋の上映開始時間はズレるので全部見ようと思ったら413分ではまず見れないし、椅子の数も限られていて立ち見になることもあるのでちょっと厳しいですね。
結局僕が見たのはダンスパートナーを15分か20分くらい・・・?と、その他のものをそれぞれチラチラ見た程度で、全部しっかりと見たのは「過去をつきぬけて」というドキュメンタリー作品だけでした。映画の作品はいざとなったらDVDででも見れば良いかなと思って(と、これは甘かった、と後で気づくのですが)。でもこの「過去をつきぬけて」がとても良かった。作品展示フロアの回答編みたいな感じで、映像中に出てきた作品の中には直前に見た作品もいくつかあり、レベッカ・ホルンがどういった意図で製作したのかが少しわかりました。
作品を見たときにあれやこれや想像したことを思い返すと、僕はどうも難しく捕らえようとしていたのだなーと気づきました。レベッカ・ホルンの作品の動機はとてもシンプルで、ストレートで・・・でもそれを見た僕は勝手に色々な意図を付け足して、それって作品として一つの理想の形だと思うし、意図を知らなくても楽しめる・知ったらもっと楽しめるっていうのは改めて美術鑑賞の楽しさを感じさせてくれました。
ということでオススメの展示なので、お時間のある人は是非に!