作る人と解く人 1
3以上の自然数nについて、xn + yn = zn となる 0 でない自然数 (x, y, z) は存在しない
フランスの数学者フェルマーが見つけ出した定理です。フェルマー自身はこの定理の証明ができた(とされている)のですが、その肝心な証明を残さなかったため、数学史上最大の難問として残ることになりました。少し前にフェルマーの最終定理という本を読み終えました。このフェルマーの最終定理という本は、フェルマーの最終定理に挑んだ多くの数学者の物語で、ワイルズが解くまでの360年の記録でもあります。けっこう厚みのある本なので細かい内容は省きますが、感想としては数学について詳しくない人が読んでも楽しめるように専門的なことに関してはわかりやく説明されているし、定理証明の専門的な部分より、人間ドラマとしての比重が大きくとても面白かったです。300年以上もの間誰も解くことができなかった問題、もしかしたら証明そのものが嘘かもしれない、それに挑んで人生をささげるなんて、なんて浪漫なんだろうって思いました。
フェルマーの最終定理という言葉を初めて聞いたのは僕が高校生の時で、数学の授業中先生が「フェルマーの最終定理を解いたらノーベル賞も夢じゃないよ」って話していたのを覚えています。ワイルズがフェルマーの最終定理の証明を完了させたのが1995年、僕が数学の授業中その話を聞いていたのが1994-1995年あたりだと思うので、そのときまさに証明されようとしていたわけです。当時は全く興味がなかったし、ニュースで見ていても気付かなかっただけだと思いますが、数学史でいうとかなりすごい瞬間に立ちあっていたのだなと感慨深いです。
僕は数学が好きでした。好きな教科って中学くらいの時の授業が楽しいかどうかで決まるんじゃないかと思っていますが、僕にとっては数学がそうでした(逆に英語の授業が苦痛でそのまま嫌いになりましたが・・・)。その授業内容は、まず公式を作るところから入る授業でした。公式の作り方がわかると、テストで公式を忘れてしまっていても考え方の順序さえあっていれば答えを出すことはできるし、公式を”作る”というのがパズルを解いているような面白さがあり、勉強をしているという感じがなく本当に楽しかったです。きっと多くの数学が嫌いな人は、この問題はどの公式を使うんだろうって形式的に探し出して計算する、そういった作業的なものだと捕らえているんじゃないかなと思います。受験数学だけを考えたら確かにそうかもしれないし、公式を作るという行為は実際非効率的かもしれないけど、僕は、数学はこんなにも面白いのにもったいないなーと思っていました。そんなわけで数学にはある種思い入れがあるので、このフェルマーの最終定理はそのときもことも少し思い出してなんだか懐かしい感じもしました。
続く